2012年06月23日

たんぽぽ舎ML転記:地震と原発事故情報−5つの情報をお知らせします



たんぽぽ舎さんのML、勉強になる内容が詰まっているので、転記します。

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たんぽぽ舎です。【TMM:No1494】
2012年6月22日(金) 地震と原発事故情報−5つの情報をお知らせします
                               転送歓迎
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★1.再稼働を撤回せよ、新版(第4版)ハガキを出そう!
   ハガキ全文と4大臣&2黒幕の地元事務所一覧
                   (再稼働反対ハガキアクション!)
★2.放射能無害化は極めて困難「放射能の無害化技術」とその現状について
                  (小出裕章 京都大学原子炉実験所)
★3.原子力基本法を改悪する条文=核を持つ国、核武装を進める企みは
   許せません!(世界平和アピール七人委員会事務局 丸山重威(JCJ))
★4.戦犯はひっこめ(山口二郎(北海道大学教授)
   こちら特報部<本音のコラム>から(6月18日 東京新聞)
★5.<テント日誌6/18(月)
   ―経産省前テントひろば282日目 稼働原発ゼロ44日目>
    大飯原発の間近で再稼働反対!命を守れ!のコール( Y・T )
━━━━━━━
◇あす23日(土)14:30から、大飯原発の再稼働決定を撤回しろ!新宿デモ
新宿西口・柏木公園集合、デモ出発15:30、再稼働反対!全国アクション主催
http://2011shinsai.info/node/2304
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┏┓
┗■1.再稼働を撤回せよ、新版(第4版)ハガキを出そう!
 │   ハガキ全文と4大臣&2黒幕の地元事務所一覧
 └────(再稼働反対ハガキアクション!)

大飯・伊方原発の再稼働強行をやめよ!
電気は足りている。地震・津波対策は出来ていない!

 野田首相ら4閣僚のみなさん!大飯原発の再稼働決定の根本的な過ちは、
福島原発過酷事故の原因究明すら出来ず、放射能をまき散らしている危険な
現状を放置し、福島や全国の人びとの不安・再稼働反対の声を無視し、政治判
断した事だ。
 (1)原発事故が起きた時、取れる筈のない責任を取ると言うのは、ペテンだ。
 (2)ベントや免震棟もなく、避難道路の不備等、住民や被曝労働従事者への
  最低限の安全対策すら講じないまま再稼働を決定した事は、危険極まりな
  い。

 福島の被災者は仕事も家も故郷も希望も失った。今なすべき事は再稼働では
なく、国も東電も過ちを認め、情報の隠蔽、改ざんをやめて全てを明らかにす
る事。未来をになう子どもたちを放射能から守る事。被災者への弁償を完全に
行う事だ。
 何よりも被災者の声を重視せよ!周辺自治体の住民の声を無視するな!
国民の再稼働反対の声を政治家は聞け!誠実に!

 《伝えたい事》
  住所・氏名
___________________________________

 ▼▲▼▲ 首相、大臣ら6人の地元事務所の住所 ▲▼▲▼
 ▼▲▼▲ 3つの電力会社の住所・電話・FAX ▲▼▲▼
 1)野田佳彦 船橋事務所
   〒274-0077 千葉県船橋市薬円台6−6−8−202
  TEL 047-496-1110 FAX 047-496-1222 post@nodayoshi.gr.jp
 2)仙石由人
   〒770-8053 徳島県徳島市沖浜東1-64-5
  TEL 088-626-1059  FAX 088-655-9130
 3)枝野幸男 大宮事務所
   〒330-0846 埼玉県さいたま市大宮区大門町2-108-5永峰ビル2F
  TEL 048-648-9124  FAX 048-648-9125
 4)藤村修  大阪事務所
   〒564-0071 大阪府吹田市西の庄町7-20阪急吹田駅前奥野ビル2F
  TEL 06-6337-3694  FAX 06-6337-4354
 5)細野豪志
  (三島事務所)〒411-0847 静岡県三島市西本町4-6コーア三島ヒ゛ル2F
  TEL 055-991-1269  FAX 055-991-1270
  (富士事務所)〒417-0035 静岡県富士市津田町109-2
  TEL 0545-55-5411  FAX 0545-55-5412
 6)齋藤勁
  〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町1-15第2東商ヒ゛ル3F
  TEL 045-681-7733  FAX 045-681-1681

 関西電力 〒530-0005 大阪府大阪市北区中ノ島3丁目6−16
  TEL 06−6441−8821  FAX 06-6441-7143
 四国電力 〒760-8573 香川県高松市丸の内2番5号
  TEL 087−821−5061  FAX 087-826-1250
 東京電力 〒100-0011 千代田区内幸町1−1−3
  TEL 03−3501−8111  FAX 0120−12−8589

 ◎関電、四電管内ほかの自治体のあて先はホームページをご覧ください
 http://www.tanpoposya.net/main/index.php?id=1012


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┗■2.放射能無害化は、極めて困難
 │   「放射能の無害化技術」と、その現状について
 └────(小出裕章 京都大学原子炉実験所)

小出裕章: 原子力発電はウランを核分裂させますが、核分裂させると、核分
 裂生成物ができてしまいます。元々ウランは、放射線を発する危険な物です。
 その危険なウランを核分裂させると、そのとたんに放射能の量が10億倍に増
 えます。それだけの凄まじい力を人間は持ってしまったのです。

 人間が核分裂の連鎖反応を使うようになったのは、1942年です。米国がマン
 ハッタン計画という原爆製造計画を立ち上げ、物理学者が長崎原爆の材料で
 あるプルトニウムの製造法を考えました。そして、プルトニウム製造には原
 子炉を動かすのが最も効率的、と結論しました。

 皆さんは原発を「発電」のための装置だと思われているかもしれませんが、
 元々開発者は、発電などに興味はなく、プルトニウムを作るための手段だっ
 たのです。しかし、当初から「これをやると大変なことになる」ことはちゃ
 んとわかっていましたので、1942年時点から無害化の研究は始まっているの
 です。研究は続けられ、今年で70年になりますが、未だにできないのです。

 できない理由は、主に2つあります。
 1.作ってしまった核分裂生成物を消そうとすると、そのために莫大なエネ
   ルギーがかかる。もともと原子力発電は、エネルギーが欲しいから作っ
   た訳ですが、そのエネルギーを全部投入してもまだ足りないとなれば、
   意味がありません。いくらやってもダメなのです。
 2.先ほど「消す」と言いましたが、本当に消すことはできません。正確に
   は、「消す」のではなく、寿命の長い放射性物質を寿命の短いものに変
   化させて、管理期間を短くしたい、と言う考え方です。ところが、ある
   寿命の長い放射性物質を寿命の短い放射性物質に変える作業をすると、
   新たに寿命の長い放射能が生まれてしまったりする物理現象が同時に進
   行してしまうのです。日本でも「原子力研究開発機構」が研究を続けて
   いますが、いくら実験を繰り返しても、この壁を突破できず、70年間実
   現できずにきているのが現状です。

 私たちの世代が原子力発電を始めました。これから先10から20年くらいは続
 くかもしれません。でも、せいぜい何十年という時間しか原子力は使えませ
 ん。ウランが枯渇するからです。

 ところが、私たちの世代で生み出した放射能のごみは、100万年後まで子孫
 たちに押しつけられるのです。そんな行為に自分が荷担したということを、
 私は決して許せない。だから私は、自分たちの世代が生んだごみは、自分た
 ちの世代の責任で無毒化したいと願っています。でも、たいへん申し訳ない
 ことに、それは不可能なようです。
  (人民新聞6月15日号の小出裕章インタビュー
   「何も変わらなかった日本と原子力村!」から抜粋)


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┗■3.原子力基本法を改悪する条文=核を持つ国、核武装を進める企みは
 │   許せません!
 └────(世界平和アピール七人委員会事務局 丸山重威(JCJ))

 原子力規制庁の設置に関する法案が衆院を通って、参院に送られていること
はご存じだと思いますが、何とその過程で、原子力基本法の『民主・自主・公
開』の「平和三原則」を骨抜きにし、目的に、「安全保障」を忍び込ませる、
原子力基本法の改正が行われようとしていることをご存じですか。
 どさくさに紛れて、日本の原子力平和利用のあり方をも根底から覆そうとす
る企みで、何と衆院では2時間で通してしまった、とのことです。原発が作り
出すプルトニウムを持っていることが核抑止になるのだ、という議論は、自民
党などから言われていましたが、ここで堂々と出てきたわけです。何でも、政
府提出の「原子力基本法設置法案」をとりさげ、民主、自由、公明三党が提出
した「原子力規制委員会設置法案」を通したとのことで、その中に、この「改
正」が含まれていました。いかにも、姑息なやり方だと思えて仕方がありませ
ん。
 これについては、16日朝刊で、「可決ラッシュ」(朝日)、などと報じら
れましたが、メディアも気づかなかったのか、この「安全保障」問題とか「基
本法改正」は、一切触れられていません。「平和利用」というもっと議論しな
ければならない基本的な問題を、こんな形で勝手に崩し、なし崩しに、原発容
認→核をもつ国→核武装にすすめようとする企みは許せません。会期末を迎え
て、参議院でも、みんなが気づかないうちに通してしまおうという策謀は絶対
阻止すべきです。
 世界平和アピール七人委員会は、ちょうど開いた18日の会合で、この問題
を討議し、添付のようなアピールを発表しました。ぜひ、これを緊急に広めて
いただき、何とか「成立」などというようなことにならないよう、ご協力くだ
さい。


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┗■4.戦犯はひっこめ
 └────(山口二郎(北海道大学教授)

こちら特報部<本音のコラム>から(6月18日 東京新聞)

 大飯原発再稼働に反対する数千の市民が首相官邸付近に集まったという記事
を読んで、六〇年安保を思い出した。
 五十二年前のちょうど今ごろは、安保反対運動のピークで、未曽有のデモが
国会を取り巻いた。あの時の市民は、安保条約そのものを理解して反対したと
いうよりも、A級戦犯だった岸信介首相(当時)が強行採決で安保条約を可決
させ、戦後民主主義を踏みにじったことに怒ったのだろうと想像する。

 今、原発再稼働に反対し、首相官邸付近に集まった市民にも、先般は引っ込
んでいろという思いは共通していると私は考える。
 ポスト3・11の戦犯も、岸氏などとどうよう、あれだけの惨事を引き起こ
していながら悪いことをしたと思っていない。性懲りもなく大失敗した事業を
また進めようとする。戦後の無責任体制は今も終わっていない。
 原発を推進した官僚、経営者、御用学者が戦犯であることは言うまでもない。
これを免罪し、再稼働を進める政治家も先般の同類である。
 原発規制の新制度についても、自民党の圧力で四十年廃炉の原則を骨抜きに
する条項が加えあっれた。ふざけるなと言いたい。自民党の政治家でこの問題
について口出しする資格を持つのは河野太郎氏くらいだろう。
 戦犯は戦後の政策決定に口出しするな。


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┗■5.<テント日誌6/18(月)
 │  ―経産省前テントひろば282日目 稼働原発ゼロ44日目>
 │   大飯原発の間近で再稼働反対!命を守れ!のコール
 │   おおい町役場にも申し入れ  〜東京バスツアー・おおい行動団〜
 └────( Y・T )

6月18日(日) 晴れ
 この日午前9時半、「大飯原発再稼働反対!東京バスツアー」と「原発いら
ない!福島の女たち」の有志によるおおい行動団(総勢47名)は、大飯原発
間近の簡易ゲート前に立ち並んだ。
 前日の「福井でつながろう」大集会とデモに参加した後、おおい町地元の方
にチャーターしていただいたバス1台でおおい町へ向かった行動団は、その日
の夜は運動公園の「大飯原発監視テント」で、50名ほど集まっていた若者た
ちと交流し、テントや民宿、国民宿舎に分宿し、18日朝から行動した。若者
たちは、ライブなどをやったあと、20人程が車座になって夜遅くまで真剣な
討論を繰り広げていた。「非暴力直接行動に覚悟をもって起ち上がるべき」
「土日ごとにさらに参加者を拡大し、数百人規模の・・・・・・
 ★つづきは、テントひろばホームページで★
 http://tentohiroba.tumblr.com/post/25567781256/6-18-282-44

 ◎6・23(土) 再稼働撤回!新宿デモ 14時半 新宿西口柏木公園集合
 15時半デモ出発(アルタ前まで) [再稼働反対!全国アクション]
 ☆テント全体会議 6・26(火) 19時〜  スペースたんぽぽ
  6・17ー18行動報告と今後の再稼働阻止の闘い
  7・16への取り組み、これからのテント。たくさんの方の参加を!
posted by タネ at 10:46| Comment(0) | 勉強 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月18日

医学博士ミッシェル・フェルネックス教授からフクシマへの提言‏



MLで回ってきたので転載します。
長いけどじっくり読もう。



=====以下、転送転載歓迎=====

コリン@パリです。
私の友人、フランスのNPO<チェルノブイリ/ベラルーシーのこどもたち>の会会長イヴ・ルノワールから託されて,彼の手紙とミッシェル・フェルネックス教授(同会の創設者)の貴重な論考をお送りします。皆さんにご熟読頂き、とりわけ、医師、医療関係者で福島事故の放射能被曝犠牲者たちの支援を行なっている方々に,できるだけ,広めて頂けるなら,ありがたいです。よろしくお願い致します。
コリン・コバヤシ


会長 : イヴ・ルノワール

2011年12月16日パリ

主題 : ミッシェル・フェルネックス教授の論文のプレゼンテーション

拝啓 

私はイヴ・ルノワールと申しまして、フランスのNPO<チェルノブイリ/ベラルーシーのこどもたち>の会長をしております。当会は2001年4月27日にベルラド放射線防護研究所(政府とは独立した機関)所長をしていましたヴァッシーリ・ネステレンコ教授からの要請に基づいて設立されたものです。

私たちの会は、ベルラド研究所
の科学的、人道的な活動に財政支援し、 ミンスクのベラルーシー科学アカデミー
の遺伝子保全研究所に近代的な機材投資を行ない、それによって、体内に取り込まれたセシウム137の遺伝上の影響を調べるためです。ベラルーシー政府は、これらの課題に財政投資することを拒んでいます。

ここに添付しております書類に署名しているミッシェル・フェルネックス教授は世界保健機関(熱帯病治療)の専門家でした。20年以上、彼は、卓越した医者、学者などと連携しながら、体内に取り込まれた放射性物質による影響の問題〔内部被曝問題〕を非常に身近に追求してきました。

この資料は、放射線による危機の初期の保健衛生上の影響について皆さんの注意を喚起するだろうと思います。特に卵割から八週以内の胎児、それ以後の胎児に対するヨウ素131の重大な衝撃を彼は強調しています。汚染から免れた地域で収集されたデータと比較して、彼が記述する偏差を明らかにすることは、福島の惨事が開始された後、放射線汚染による環境の公共衛生上の問題の重要性に関して、明白な証拠をもたらすでしょう。

私たちは、彼の発表に、性差と比率の問題と放射性物質による内部被曝の他の影響に関する二枚の論考を添えておきます。

これらの資料を皆さんに知って頂けたことに感謝致します。

敬具

Yves Lenoir

=====ミッシェル・フェルネックス教授の論文=====


ミッシェル・フェルネックス

2011年11月30日 

フランス、オー=ラン県 ビーダータル

AP通信社は11月21日、「福島第一原発の事故による健康被害の実態は、明らかにならない可能性がある」という記事を配信した。これを読むと、次のような疑問が浮かぶ。「人々をできるだけ被ばくから守り、犠牲を最低限に食い止めるための最適な方策を、いったいどの機関が日本政府に進言できるだろうか」。福島原発の管理者は、原発の計画をたて、建設を実行した最初の誤ちから、津波到来の1時間も前、すでに地震によって原発が壊れていたことを隠蔽した過ちまで、一貫して責任を負っている。これは明らかな人災で、結果として、環境中への放射能漏れの対応に遅れが生じた。

●● IAEAに従属するWHO

1946年の世界保険機構( WHO)憲章で、WHOは、医療部門において適正な技術を提供する義務がある、と定められている。緊急時には、政府が要請するか、あるいはWHOの介入に合意が得られたあとで、その役割を実行することになっている。WHOは健康に関する全ての情報、アドバイスおよび援助を与え、健康に関する世論をしっかり記録に残す義務がある。ところが、これらの義務はまったく遂行されていない。

WHOはもともとこうだったわけではない。1957年に設立された国際原子力機関(IAEA)との間で交わされた合意(1959年、 WHA12.40)によって、原子
力分野での独立性を失ったのである。より最近では、放射線関連分野におけるWHOの活動は縮小しており、福島に介入したのもIAEAであった。

あまり問題とされてはいないが、IAEAは、福島やチェルノブイリのような原発大惨事が起こるたびに、大きな決定権を発揮できる、という国際原子力機関憲章をもつ。IAEAは自らの憲章に忠実で、1996年4月8日〜12日にウィーンで開催されたチェルノブイリに関する国際会議会報のように、IAEA出版物には度々、憲章の第二条が引用されている。IAEAの主要目的は「全世界の平和、健康、繁栄に対して原子力産業が果たす役割を推進し拡大すること」なのである。

言い換えれば、国連組織であるIAEAは、原子力産業を推進し、その商業プロジェクトを支援するための機関である。WHO、FAO(国連食糧機構)、ユニセフなどの国連諸機関のなかで、IAEAはその最上部に位置している。さらに、法的に見ると、WHOは、健康および放射線分野での独立性をもたない、あるいは存在すらしていない。原子力産業を代弁するIAEAは、深刻な病気の数々と放射能の関係を認めない。彼らの意図は原子力産業を保護することであり、放射能汚染から人々を保護したり被災者を支援することではない、とIAEAの指針にはっきり示されている。

従って、国の保健当局は、原発事故の際にIAEAに忠告を求めてはならない。IAEAは経済的配慮を優先するため、被ばくによると思われる健康被害を過小評価したり否定したりする。その結果、強度の汚染地域からの住民の避難が遅れる可能性もある。

●● まず性差に表れる放射線の影響

行政が福島の住民、特に放射能の影響を受けやすい子供たちにヨード剤を配布しなかったのは理解に苦しむ。ヨード剤は高価なものではない。ポーランドの例を見るように、たとえ百万単位の子供たちに配布しなければならないとしても、効果があったことだろう。原発から放出されたヨウ素131が到来する前に一錠飲むだけで予防になった。

AP通信社の記事は、原発事故の影響がまず子供たちに現れることを伝えていない。細胞分裂の早い成長期の子供は、成人に比べて千倍も放射能の影響を受けやすい。妊娠八週以内の胎芽が死亡するリスクもある。すなわち早期流産である。86年のチェルノブイリ事故前の統計と比較すると、事故後、女児新生児の5%が死亡している。最も汚染されたベラルーシとロシアでは、このために新生児の男女比が最大となっている。分娩時の女児死亡はチェルノブイリ後の東欧およびバルカン諸国でも見られ、ドイツでも同様に急増した。しかし汚染が局地的あるいはほとんどなかったフランスやスペインでは性差にあまり差異は見られなかった。このデータは性比が放射能汚染の度合いに比例して変化することを示している。

通常の性比は男1045に対して女1000前後で、地域別に見ても大差はない。放射能の影響で性比が変化した例は他にもある。例えば高濃度のトリウムを含むモナザイト岩地域、インドのケララ谷は、自然放射線レベルが通常の6倍も高く、ここの住民にはダウン症などの先天性異常が多い。また、自然放射線レベルが通常の周辺地域には見られない性比が認められている。(Padmanabham)

チェルノブイリでは死産、周産期死亡および先天性異常の増加が見られた。もっと後になってからだが、心臓の先天異常も見られた。50年代に行われたアリス・スチュワート医師の研究では、胎内で被ばくした胎児は後に白血病や癌(脳腫瘍)を発病するリスクが高いことが分かっている。

●● 放射線と免疫機能低下

チェルノブイリでは子供たち、特に小さい子供や幼児の1型糖尿病が増加し、昏睡の症状が確認された。通常は、遺伝的要因からくる自己免疫異常や新たな突然変異によるものだが、チェルノブイリでI型糖尿病を発病した小さい子供や幼児たちは糖尿病家系ではないことが特徴的だった。

事故後、被ばくが免疫機能に影響を与えることがベラルーシで明らかとなっている。そのため、福島周辺住民の白血球および抗体グロブリンの長期的調査が必要である(チトフ教授の研究を参考)。調査結果は、福島から離れた九州などの汚染されていない地域の対象群と比較しなければならない。

汚染地域の子供たちの免疫調査では、膵臓ランゲルハンス島のベータ細胞および甲状腺細胞に対する自己抗体に注意を払う必要がある。橋本甲状腺炎の原因にはI型糖尿病と同じように遺伝子が関連すると考えられている。性ホルモンなどその他の内分泌腺は、特に思春期に機能不全を引き起こすリスクがある。たとえば、生理の遅れやウクライナで急増した男性不妊症だ。アレルギー性疾病も汚染地域の子供たちの間で増加すると思われるが、これらの調査はいずれも、非汚染地域の対象群と比較すべきである。チェルノブイリでペレヴィナ教授が子供にレントゲンを短時間照射し細胞の過敏性(リンパ球培養)を調査したが、同じ調査を福島でも行う必要がある。

食品による内部被ばくにより免疫が低下したチェルノブイリの子供や幼児は、事故から何年も経ってからも頻繁に感染症にかかっている。汚染されていない地域に比べて合併症や慢性化によって悪化する率が高い。

被ばくによって引き起こされるゲノム不安定性は遺伝的に受け継がれる。調査は、子どもの祖父母から始まって、これから何世代にも渡って続ける必要がある。

●● 被ばくとガン

甲状腺ガンは五歳児では百万人に一人という、子どもには稀な病気だが、今後は五歳未満の子供たちの間でも増大するだろう。被ばくした胎児・新生児の場合、甲状腺ガンの潜伏期間は非常に短く、浸潤性の甲状腺乳頭ガンが極めて速く進行する可能性がある。チェルノブイリ後、甲状腺腫、甲状腺炎および甲状腺機能不全などの甲状腺の病気が増加した。その他のガンは潜伏期間が長く、最大で35年である。スウェーデンのクロンベルクとベラルーシのオケアノフは、チェルノブイリ事故から十年後に様々なガンが増加する、という明白な傾向をつかみ、二十年後には一般的なガンの発生率が統計的に顕著に上昇することを確認した。

放射線を受けた若い人々は、若くしてガンを発病するなど、若年性老化のリスクがある。被ばく量の等しいリクビダートル(原発事故処理作業員)たちと比較すると、若いリクビダートルの発ガン率は年配のリクビダートルより著しく高かった。オケアノフはまた、被ばく総量より被ばくした時間の長さがよりリスクを高める要因であることを示した(1996年4月8日〜12日のウィーン国際会議のIAEA会報279ページ参照)。ガンの調査においては、年々減少するであろう死亡率をパラメータにするのではなく、特に被ばくした人々の発ガン率、また従来より20年早まるであろう発ガン年齢に注目する必要がある。発ガン率と発ガン年齢は10〜20年後、統計的に顕著な変化が見られると思われる。

若いリクビダートルの失明も、年配者より頻繁に発生した。これは微小循環障害を伴う網膜の変性疾患で、数年後に黄斑に現れる。

チェルノブイリ事故後、最初の死因はガンではなく、脳と心臓の合併症を伴う心臓血管病と高血圧だった。医師にはこうした合併症の予防に力を尽くして欲しい。

被ばくした幼児は、通常より若い年齢で橋本甲状腺炎および1型糖尿病を示す危険がある。性ホルモンの異常による症状などその他の内分泌腺の病気は性機能を不調にし、特に思春期の女性には生理の遅れ、男性には男性不妊症という症状が現れる。

●● 内部被ばくを避けるには

放射能から子供を守るために最も重要なのは、食べ物による内部被ばくを避けることだ。危険なのは外部被ばくよりもむしろ内部被ばくである。体内に取り込まれた放射性物質は、胸腺、内分泌腺、脾臓、骨の表面および心臓といった特定の内臓に蓄積する。チェルノブイリの事故後にバンダジェフスキーが行った研究によると、大人の内臓に蓄積された濃度の二倍近いセシウム137が同地域の子供の内臓から検出された。最も濃度の高かったのは、新生児、乳幼児の膵臓および胸腺だった。

チェルノブイリ後にセシウム137が体内に蓄積された子供たちの八割は病気で、心臓疾患も多い。事故前のベラルーシでは健康に問題のある子供は2割程度で、ベラルーシの汚染されていない地域では事故後でも変化が見られなかった。

子供たちは放射線測量計を身につけるより、ホールボディカウンターを定期的に学校に搬送し、子供たちのセシウム137体内蓄積量を調査する必要がある。体重1キロ当たり20ベクレルの値を超えている場合にはペクチンを与え、汚染された食品の摂取を避ける必要がある。また子供を汚染地域外でしばしば保養させるのも効果的だ。

ペクチンはストロンチウム90、セシウム137、ウラン誘導体の体内摂取を減らすとともに、体外への排出を促進する。イタリア、イスプラの欧州委員会研究所の専門家たちは、ペクチンが安全で放射能の排出に効果的なサプリメントであるとみなしている。(Nesterenko V.I.他「アップル
ペクチンによるチェルノブイリの子どもの体内のセシウム137の除去効果」SMW 134: 24-27. 2004)

汚染された子供たちには、抗酸化物質として作用するビタミンE、ビタミンA、カロチンも有効であり、ニンジン、赤かぶ、赤い果物などを与えるのが効果的だ。

以上はAP配信記事に対する意見である。記事によると、放射能事故を原因とする成人の死亡例はまだ出ていないようだ。汚染地域で小児科医、遺伝学者、免疫学者たちによる出生時から思春期までの継続した疫学調査・医学調査を行うことを強く要請したい。この調査には、汚染されていない地域で、年齢・性別の分布、職業、生活水準、居住地域の人口密度など環境的に類似した対象群を選ぶことが重要である。

(翻訳:小川万里子  編集:藤原かすみ)

●ミッシェル・フェルネックス Michel Fernex 略歴
1929年ジュネーヴ生まれのスイス人。医学博士。ジュネーヴ、パリ、ダカール、バーゼルで医学を学ぶ。後、セネガル、マリ、ザイール、タンザニアなどアフリカ諸国に勤務、またフランス、スエーデンでも勤務し、寄生体学、マラリア、フィラリア症の問題で、世界保健機関と15年間,共同作業を行う。スイス・バーゼル大学医学部教授に任命。臨床医学,及び熱帯医学専門医。66歳で退職。以後、IPPNWの会員、またNPO「チェルノブイリ/ベラルーシーのこどもたち」(ETB)を仏緑の党創立メンバーで反核の闘士であった夫人のソランジュ・フェルネックスと2001年に創設。また2007年から、ETB、IPPNW, CRIIRAD、仏脱原発ネットワークなどとWHO
独立のためのキャンペーン(Independent WHO)を組織。キャンペーン会員はジュネーヴのWHO本部前で毎日8時から18時までピケを張っている。(過去に、ジャン・ジーグレール、ダニエル・ミッテラン、クリス・バスビー、チェルトコフ、ヴァシーリ・ネステレンコがヴィジーに参加)


(以上、転載終わり)



posted by タネ at 18:54| Comment(0) | 勉強 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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